補導におびえる

イチコは昨日、高校の友達と、舞浜にあるあの夢の国に行っていました。
開園から夜、閉園近くまで。

夜、イチコからLINEが来ました。
「ファストパスであと一回○○に乗って、そしたら○○分の電車で帰るから」
遅いなと思いましたが、まあ毎回のことではないし、特別な気分になるのもわかるので乗り遅れないように言って了承しました。

すると、その○○分間近になって、
「みんなが全然急いでくれない！！電車乗れない！どうしよう！」と焦りのLINEが。

そんなに焦っているのは、イチコが23時過ぎたら補導される！！と思っているからです。
もちろん、ここの条例で決まっているので、親の承諾なしに23時過ぎに高校性が歩いていたら補導の可能性はあります。
前から私は脅し文句のように言っていたのです。ですので、さすがに23時過ぎたことはありませんし、22時過ぎることなんて中学の塾の時だけでした。

その電車に乗れないと23時までに家に着くことはムリです。
イチコは相当焦っています。

普段はイチコからはそっけない返事やスタンプばかりのLINEですが、何度も何度も私に送ってきます。
「どうしよう！まだアトラクション乗るとか言ってる！どうしよう！」

実際知り合いのお嬢さんが高校生の時に警察に補導されたこともあるし、ダンナさんも最近夏休みだからか、警察官が駅周辺を沢山ウロウロしていると言っていました。
「補導って本当にされるらしいよ、知り合いが補導されたことあるよって友達に言ってみたら？」と送るとしばらくして
「大丈夫だよって言って聞いてくれない！」と焦っています。

イチコって結構心配性なんです。私は今はそれぐらい心配性でもいいかな、ぐらいに思っているのですが、あまりにも焦っている様子なのでちょっと驚きました。
真面目か！
そうだったんだ、こんなに真面目で心配性だったのねと変な驚きを感じながら、
「とにかく次の○○分の電車には乗れるように急ぎなさいね～」と。

すると今度は有料の急行のような電車のホームに間違えて行かないようにね、と連絡すると、友達がそれに乗ると言っていると連絡が来ました。
それってお金別料金で払わないと乗れないんだよ？と言うと、友達がみんな「払わないで乗ってみると言っている！」と焦りのLINEが。
乗るなら専用の切符を買いなさい、と券売機の場所や乗り方を教えましたが、友達の一人が、切符無しでも乗れると言い張っていると。
私が東京駅周辺でOLをしていた頃、たまに使ったりしたのですが、その時は切符がないと乗れませんでした。
あれ？変わったのかな？と思いながらダンナさんに確認すると、やはり今でも乗る時にドアのところで切符みせなきゃ乗れないよ、といいます。

イチコは「みんなはどうしても買わないって言うけどしょうがないから自分だけは買おうかな・・・どうしよう」と言ってきました。

そうこうしているうちに、その急行よりも1本早い普通電車に乗れることがわかりました（結果的にその急行はやはり切符の購入と提示が必要でしたが）。
でも、結局、最寄駅に着くのは23時ちょっと過ぎてしまいます。
一応、親の了承があると言えばあるのですが、実際に万が一駅前で警察官に事情を聴かれたりしたらイチコは相当テンパると思ったので、時間も時間だったし帰りも心配だったので、焦りまくってるイチコに

「私が駅の改札で捕まえてあげるから大丈夫だよ」

と言うとようやく安心したようです。

結局ダンナさんに車を出してもらい、私が改札まで行ってイチコをキャッチすることになりました。
駅に着く直前まで「改札に警察いる？」「いないよ」「隠れてんじゃないかな？」「改札よりも繁華街にいるんじゃないの？」「そっか、よかった」なんてやり取りをしましたが、無事に改札を出てきたイチコをキャッチ。
まあどうみてもまだ高校生にしか見えませんので、もしも駅前で警察官に見つかったら何か言われるかもしれませんね。

本音を言うと「ちょっとぐらい大丈夫じゃないの？」と思ったのですが、私にも実際はどうなるかわからないですし、決まりは決まり。
ウワサで、万が一補導されたら「補導歴」という記録が20歳まで残ると聞いたことがありますので、今回のことはいいクスリとしてイチコは焦らせたままにすることにしました。
それに最近の駅前には怪しげな人が沢山いて本当に心配なんです。絶対に一人では通ってはいけない道も教えてあります。

大体こんな遅くに帰ってくることは高校生としては普通じゃない、ということも言いました。
イチコもわかっているようで、さすがに今回は「ごめんなさい、ありがとう」という言葉を何度もすぐに言ったので厳しいお咎めは無しにしました。

てんやわんやの夜でした・・・

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