漏斗胸ってわかりますか。
「ろうときょう」と読みます。
これは胸のあたりの骨（胸骨）がロート状にくぼんでいる状態のことで、どちらかというと男性に多いらしいです。
イチコは生まれつき漏斗胸です。
生まれつき、というか、私が「漏斗胸」というものを知ったのは、小学校に入学する前の健康診断の時でした。
「この子は漏斗胸ですね。それはわかっていますね？でもひどくないから特に何もしなくて大丈夫ですよ。」
と言われました。
それまで、なんとなく胸の骨が少し凹んでいるなとは思っていましたが、生まれた時も、小さなときの病院でも一度も何も言われたことがなかったので、そんな名前があるものだとは知らなかったのです。
慌てて調べてみると、多くの場合は漏斗胸だからといって生活に支障があるわけでもなく、寿命が縮むわけでもないとのこと。
しかも女子はだんだん胸もふくらんでくれば目立たなくなるという話もあったので、それほど気にしていませんでした。
ただ、成長するにつれやはり胸のくぼみはやや目立つようになり、一緒にお風呂に入った友達から「どうして凹んでるの？」と聞かれたりするようになりました。
漏斗胸を治すには通常は手術しかないようです。
命にかかわるものではないとはいえ、本人が見た目を気にするようであれば手術を考えるのもありだと思っていました。
でも本人が見た目を気にしない、手術はイヤ、生活にも命にも別状ないということであればそのままにしておくしかありませんでした。
ところが、中学に入学した頃、学校の心臓の検査で引っかかってしまい、二次検査を受けに行くことになりました。
引っかかった原因はおそらく漏斗胸であろうとのこと。
内側にくぼんでいる骨に押されて心臓の位置が普通の場合と少しずれてしまうらしいのです。
もちろん、ここでも命にはなんの関わりがないので心配無用と言われました。
漏斗胸の状態もそれほどひどい方ではないとのこと。ただし、高校入学時の心臓検査ではまた引っかかる可能性がありますと言われました。
ちなみに、高校入学時の検査ではひっかかりませんでしたので、タイミングや検査技師の方にもよるのでしょうかね。
そして最近、イチコが「胸と背中がなんとなく痛い」と言うようになりました。
数年前から感じていたようです。
どんなふうにどこが痛いのか聞いてもはっきりわからないらしく、うまく表現できないと言います。
すごく痛いわけではないとのこと・・・
漏斗胸の患者さんは成長するにつれて胸痛や背部痛が生じることもあると聞いていましたので、とにかく病院で調べてもらおうと思いました。
いろいろ調べているうちに、痛みがあることで生活に支障が出ているのなら手術を考えた方がいいのかなと思い、イチコとも色々話し、手術も視野に入れることになりました。
幸い割と近くに専門の外来がある病院を見つけたので、早速予約を取り、先日行ってきました。
いろいろな手術法を調べ、もし今のうちにするのなら高2の夏休みがチャンスだろうな、そうなったら今年の夏の旅行は無しだな、医療保険は使えるのだろうかなど色々と先走って考えてしまいました。
診察の結果から言うと、手術はしてもしなくてもOKということでした。
心電図とレントゲン、問診をしてもらい、やはり診断は漏斗胸とのこと。
痛みの原因は、100％そうだとは言い切れないけど、多くの漏斗胸の患者さんの症状と似ているとのこと。
その場合、手術をすればおそらく痛みは取れます、ただし、無理に手術をする必要もありません、と。
今は部活もあるだろうから、卒業してからとか、大学に入ってから、などのタイミングでも良いし、一生手術をしないという選択肢ももちろんアリとのこと。
そうなると逆に非常に難しい選択ではありますが、一番大事なのはイチコ本人の意思。
私の母親としての本音を言えば、手術は心配だけれど、それほど怖い手術ではないようですし、痛みが取れるなら取ってあげたい。
多少の傷は残っても、将来ビキニなどを着たくなった時に傷は隠せても胸の凹みはやはり目立つ・・・本人が辛い思いをするんじゃないか、だったら今若いうちにやってしまったほうが・・・
というものでしたが・・・
イチコと話すと、今は部活を頑張りたいし、手術はしたくない、ビキニなんて元々着たくないし、とのこと。痛みも今の段階では耐えられないようなものではない、とのことでした。
それなら本人の気持ちを尊重しましょう。
ということになりました。
ダンナさんも私も手術をする方向で考えていたので、なんだかホッとしたような。
とりあえず、そんな状況だったので、先延ばしにしていた夏の旅行の計画に着手することにしました(笑)
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