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見えない努力

イチコの最後の体育祭に行ってきました。

体育祭では、イチコは競技にはほとんど出ていませんでしたが、チアの発表がありました。

イチコの学校では女子は体育祭に頭を盛るのがステータスというか、特に3年生の女子はかなり髪型や飾りに力を入れるという慣習があります(笑)
そして、イチコも例にもれず、朝から美容院を予約。
この、わざわざ美容院でセットをするという話を聞いた時点で私はぶっとびましたが、まあそこは高校生の楽しさということで、反対はしませんでした。

頼むからキャバ嬢みたいな大きく頭を盛っているような頭にはしないで!とだけ言いました。
だって、あれは綺麗なドレスを着て、きれいなメイクをしているから美しく見えるのであって、体操着や応援ダンスの衣装に合うとは思えませんから。

で、朝6時半に駅前の美容院まで送りました。
そして私は帰ってから体育祭へ行く準備をしていました。
すると自宅に電話。イヤな予感。

「この頭で満員電車乗るの大変だから車で送って」
は?となりました。
好きでその頭にしているのだし、電車に乗るのはわかっていること。周囲の高校で似たような頭で、いかにも今日体育祭なんだな、という子が電車に乗っている姿も見かけます。
断ろうとしたら、学校の友達も一緒だと言います。
そういわれると・・・断りにくいじゃないですか・・・(笑)

まあ、どちらにしても少ししたら学校に行くのは同じなので、電車で行く予定を変更して、予定より早く着いてしまいますがダンナさんと一緒に車で行くことにしました。
ついでにニコを駅に送り、イチコとその友達を乗せて学校へ。

競技は進み、いよいよチアの発表です。
私は一番前の真ん中あたりを陣取って準備。ダンナさんは少し離れたところでカメラを構えていました。

発表が始まり、イチコを見つけて動画撮影をしていました。
すると、なぜか急にウルウルとしてきてしまいました。

なんだかんだとケンカが多く、理不尽だらけで生意気な娘ですが、こうして一生懸命に踊っている姿を見ていたら、
「イチコもイチコなりに頑張ってるんだなぁ・・・」なんて感慨深くなってしまって。
自分でも何をウルウルしてるのかと笑いそうになりましたけども。

時々立ち位置を間違えてあわてて移動するという場面もありましたが、振り付けは一生懸命覚えたのでしょう、なんとかみんなと同じようにやっていました。
笑顔で必死に踊るイチコを見ていたら、日頃は私には見えないイチコの努力を感じてしまったのでしょうね。
それと共に、初めてADHDの受診をする時に「振り付けを覚えるのにとても時間がかかる」という彼女の悩みを初めて聞いた時の衝撃を思い出していました。

そんなことが頭によぎりながら見ていたものですから、一生懸命な姿を見て涙腺が・・・ゆるんでしまいました(笑)

まあ、他には色々と文句を言いたいこともちょいちょいありましたけど、この日は言わず、打ち上げ後に帰宅したイチコには、良かったよ~と声をかけました。

高校を卒業したらもうこのような学校イベントもないでしょうし、欠かさず参観してきた私としては、最後だなぁと寂しさもこみ上げてきました。

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