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多胎児育児について思うこと

胸を痛めています。

三つ子ちゃんの母親がお子さんの一人を死なせてしまった事件の裁判のことがニュースになっていました。

何があっても人を死なせるということは絶対に許されないということは前提として思うこと・・・

私は双子の母ですが、この事件を聞いた時、とてもショックでした。
気持ちがわかるとは言えませんが、双子以上の多胎児、ましてや三つ子ちゃん、四つ子ちゃん、五つ子ちゃんの育児なんて気が遠くなるほど大変だろうということは、少しはわかります。

生後11か月で命を絶たれてしまった罪のないお子さんは可哀そうでなりません・・・
残された二人のお子さんも、お父さんも・・・
子供を死なせてしまったお母さんに対しても、気の毒な気持ちが消えません。
してしまったことは取り返しがつかないし、罪は罪で償わないといけないと思います。
けれど、お子さんに対する愛情は間違いなくあったはず・・・それがこんなことになってしまったことが残念でなりません。
本人も悔やんでも悔やみきれない心境かもしれません。
精神的に病んでしまっていたのかもしれません。

今、周りに多胎児の育児をしている人がいたら、なんとかサポートをしてあげたい、してあげてほしい、誰かが助けてあげてほしい、そんな心境です。

私の娘たちが小さい時に、近所の双子ちゃん育児の先輩であるママ友が、あるビデオを借してくれました。
それは五つ子ちゃんの育児に密着したテレビ番組を録画したものでした。
当時の私は、そのお父さんお母さんの育児や生活を何度も繰り返し再生して見させてもらい、双子なんてこの人たちに比べたら半分以下じゃないの、と励みにしていました。

子育ての理想はありましたが、多胎児育児となると、そんなこと言っていられない時もあるのですよね。
本当は一人ずつゆっくりと抱っこしてあげたいし、一人ずつ目を見て授乳をしてあげたい、お風呂だってゆっくり入れてあげたいし、寝かしつけだって読み聞かせだってしっかりと向き合ってやってあげいたい・・・

でも現実は、交互に泣く娘たちをあやし続け、オムツを替え続け、授乳したりミルクを作ったり(混合だったので)、お風呂に入れれば腱鞘炎になり、自分の寝る時間はほとんどなく、ようやく眠れても夜泣きがあればすぐに起きる・・・
抱っこひもで一人を抱いて、もう一人はおんぶして前後に子供を抱えながら家事をやったこともあります。
初めての育児が双子だったので、一人だけの育児を知らなかったこともあり、これが普通だ、と感じながらだったのでそれほど苦しい、つらい、大変、という思いはありませんでした。
なんだかんだと同居のストレスもありましたが、優しい義父母ですし、実家も近いですから、いざという時の人手がある安心感と、協力的なダンナさんもおかげもありました。
そんな状況でも私は「人に頼りたくない、自分の子なんだから、自分の手でなんとかしなくてはいけない」という気負った気持ちがありましたから、泣き声を聞いてかけつけてくれた義母に「大丈夫です!」と意地を張ったこともありました。
でも、実際には精神的にも物理的にも助けてもらえてたのですよね。
もしそのサポートがなかったら・・・もしもう一人赤ちゃんがいたら・・・
そう考えると、今回の事件の母親には、やはり同情の気持ちも生まれてしまいます・・・。

イチコとニコがまだ赤ちゃんの頃、二人を連れて外出していると、あら双子ちゃん?という声もがよく聞こえました。
微笑みかけてくれたり、かわいいわね、と声をかけてくれる人も沢山いました。

ある時、二人をベビーカーに乗せて駅前のスーパーに買い物に行ったときのことです。
年齢的には60代から70代ぐらいでしょうか、上品な感じの女性が私を呼び止めました。
「あなた、どこに住んでいるの?」
突然見知らぬ人からのこのような声掛けに戸惑い、
「え、この近くですけど・・・」と答えました。
「誰か一緒に住んでいるの?助けてくれる人はいる?」
「・・・・はい、夫と、義理の両親と同居していますが・・・」
「そう、それなら安心ね、よかった。大変だろうけど頑張ってね」と言って颯爽と去っていきました。

その時は突然のことだったし、自分でも育児が大変大変と思い詰めているわけでもなかったので、不思議な人だなと思ったのですが、あの出来事は鮮明に覚えています。
とても親切な方だったのだろうなと思います。
もしかして、多胎児育児のプロとか、専門的な知識を持っているとか、サポートする仕事しているとかそういう人だったのかな。

実際一人で育児していてそうやって声をかけてもらっても素直に吐き出せるか、他人に甘えることができるものなのかはわかりませんが・・・

きっと同じ思いのお母さんは、世の中にたくさんいると思いますし、多胎児に限らず育児って大変です。
同じ多胎児の母として、これから、もう少し行政や周囲の人がサポートしてあげられる環境が整うとありがたいなと思ったのでした。

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